2020年01月15日

悲劇の県道73号「二本松〜金谷線」後編


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写真G-2

一週間後、改めてルートを辿ってみる。
道路総てから水が引くまでに実に2日もかかった。
長年地元に慣れ親しんだ住民でも、場所に拠っては水が引くのに2日以上掛かったのは初めてだろう。

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写真G-1

「菅田橋」は二本松市と白沢村の境界に当たる橋であるが、平成26年に架け替えられた新しい橋に合わせて県道は付け替えるられている。
水没したのは橋の下を潜る旧道部分全域であり、橋の先の現道本線も当然の如く水没していた。

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全体地図


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拡大地図(1)

水は引いたものの道路上には波まるで海の打ち際の様に大量の砂が打ち上げられ、さながらモトクロス場のウオッシュボードそのものである。
県道標識は無惨にひしゃげ倒され、ガードレールにはまるで海藻の様に大量のゴミや草が絡み付く世紀末の様相だ。
対向車の軽虎がダブルトラックからズレよう物ならたちまちハンドルを取られて砂浜に打ち上げられスタックしてしまう。

K73D20.148.jpg「あ、四駆掛けた」
写真F

手慣れたオヤジさんがすぐさま四輪駆動に切り替え軽虎はスタックを回避し、もとのダブルトラックに戻って行く。
阿武隈川沿いの白沢村管理の農業揚水施設は完全に水没していた。

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写真G

近くにある住宅2軒もどうやら床上浸水か?軽虎やユニックトラックなど7〜8台、10人前後で片付けしていた。
倒壊した納屋?車庫?をユンボで解体している。
県道上を作業車両が塞いでいたので、この日は無理せず撮影すると引き上げた。

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写真H-1

二週間後の朝、白沢村農業揚水場の先に行く事が出来た。


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写真H-2-1

流石に厚さ20センチから積もった川砂は撤去されていたが、10月後半の暖かい日でも悪臭がする。
先週来た揚水場前も川砂は撤去されていたが、その先はまだ通行止めの看板と厚く砂に埋まった県道が残る。道路から1mほど高い所にある田圃にも川砂が入っている。

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写真H-2-2

「おお、ヤられてるなぁ」
隣りの家の納屋や車庫は解体されていた。ここから約1Km程が人家の無い川沿い崖っぷちの最も「険道」と言える真骨頂部分だ。県道はさらに1m近く低く緩やかな下り坂となる。

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写真 I

KLX125でもハンドルが重くなる深い川砂を越えた先、ここだけかつては川渡しの船着き場を彷彿とさせるコンクリート製の路盤が在る県道は路面に驚く程に砂が無く、深くコンクリート路面の裏が洗掘されていた。打ち上げられたゴミの位置から、当日は3m近く水を被った様だ。もの凄い水圧だったろうに。
足下の路肩の砂に、MRではないバイクのトレッドパターン?既にバイクで先行者が居たか(笑
さらに前進する。
山側(東側)の路肩には、まさに「猫の額」と言えそうな小さな畑はあるものの、植えてあった野菜から何から総て流され、さしずめ地鎮祭を待つ更地の様だ。

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拡大地図(2)

そして視線を上げると両岸に枯れ木も賑わいと言わんばかりに大量のゴミが木の枝に引っ掛かって風に揺れている。
そしてついに、起点二本松高田から本宮に抜ける「険道区間」最恐の地点にやって来た!

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写真 J-1-1

市道安達太良グリーンライン直下のここは、10年程前台風で古い路盤基礎が流失し、新たに路肩工事が行われた地点である。
「出た!”ダリの絵画”だ!!」

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写真 J-1-2
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写真 J-1-3

個人的にそう呼ぶこの被災状況はアスファルトの下の路盤に濁流が入り、浮力を得て流されたアスファルトがその先の道路や路肩、あるいは建物などにある程度原型を留めたまま、まるでダリの絵の時計の様に変形して打ち上げられている様の事をいう。

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写真 J-2

基礎自体は揺るぎなく鎮座していたが、新旧継ぎ目から流入した濁流はそのままアスファルトの下の砕石を押し流し、浮力を得たアスファルトが県道に沿って流された、いや打ち上げられたのだ。

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写真 J-3
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写真 J-3-2

一通り写真を撮ると、積み上がったはぐれアスファルトの上を抜けて先へ。
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写真 K-3

左手に白く長い工事塀が現れると県道最恐区間はひとまず終了と成るが・・・?

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写真 K-2

「側溝のフタが流されてる?」と言うより側溝は流れ込んだ川砂で満杯だよ。
通行止めの看板のすぐ裏の側溝は軒並み流されていた。凄い水圧だな。

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写真 K-1

当然升も満杯、周りの法面も抉られてる。
県道から1,5mほど高い中間仮置き場も50センチ程水を被った様だ。当日は途中の道路も水没してたろうから、大変だったろうにと周りを見回しながらここでターン、岐路に着くMRであった。

報告おわり。

PS。帰りの撮影中、ここを通過するツワモノが!
ガリっ!腹の方でイヤな音がしたが、四輪駆動を掛けて無理矢理突破するジモティであった。
(しかも爺さんだ)
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posted by みちはてな at 21:52| 福島 ☁| Comment(0) | 道の不思議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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