2019年05月14日

MICHELIN Anakee Wild 1500Kmレポ。


ミシュランタイヤが満を持して発売した次世代二輪オールラウンドタイヤがAnakee Wildである。
このタイヤは元々1000ccクラスの大型車用に開発されたもんで、例えばBMWのGSシリーズとか、まあタマに山道に入る(攻めるでは無い)人の為のオンロードタイヤというイメージがあった。

ところが昨年(2028)秋、小型車用のタイヤサイズもこの銘柄で発売されたのだ。
250ccクラスを長年愛用するツーリング好きの御同輩には、かつてT63と言う鉄板銘タイヤが在った事を思い出すだろう。
このロシア戦車の様な名前を持つタイヤは当時国産タイヤの追随を赦さない優れたコントロール性と確かなグリップ、圧倒的な耐摩耗性をもっていたのだ。
勿論それは「トレールタイヤにおいて」という但し書きが付く物の、長距離林道突破を夢見る若人に支持されていたのである。
このT63がカタログ落ちして3年、やっとミシュランも後継銘柄を発売したと言う訳だ。

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試走から>

さて、
GWを目標に4月頭にタイヤを入れ替えた訳だが、こと250セローに限ればちょっと面倒であった。それはリアの120/80-18 62S-TTにチューブレス設定がなく、チューブを入れての履き替えだった。
この事は後に新たな疑念に繋がるのだが、購入時は明らかに夢見てる(きっと良いタイヤだと何処かで信じてる>俺)のでそれよりタイヤ代が気になっていた。しかるに純正であるBSのTW302とチューブ込みで同じ値段?いやいや数百円安いのである。単価が安い!これは驚いた。
MRは750の時代から行き付けのタイヤ屋に持ち込んで履き替えてもらい、外しや組付けは自分で行っている。タイヤ自体の重さはアナキーの方が重い印象を感じたが、詳しく計ってはいない。当然だが前後交換で純正より幾らか安い。

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そして翌日、通勤がてら試走してみる。
軽い!普通路面ならばT63もTW301/302もいかにもオフタイヤらしいゴツゴツ感というかブロックパターンを一種の振動として感じ、また実際にオフタイヤは粘りというか腰のある乗り心地なんだが、アナキーは10Km/h辺りまで、その後のロードボルーティング、ハンドリング、ロードノイズはほぼロードタイヤと変わらない。
それどころか、このタイヤ加速感が堪らないのである。
ついついスロットル明け過ぎでしまうというか。
だからといって立ちが強い訳でも無くハンドリングも寝かし込みも思いのままだ、これは楽しいタイヤだよ!
空気圧は2,7hPaだから殆ど高速道路仕様なんだが旋回時にグリップが薄い傾向も無い。
週末、このままで乙次郎林道(四倉)に持ち込んでみた。

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林道行脚>

流石に空荷の林道ではフロントは路面を喰い切れず、リアは高い空気圧に跳ね回る、泥と雪は特にダメで止む無く空気圧を前後2,7hPaから1.8hPaまで落として、ようやく安定する。何とか泥にも対応し、直進してくれる様になる。
この感じはかなりT63に近い気がする。ただ、ガレ場は思った以上に路面を拾う感じだ。
さらにリアのみ1,2hPaまで落すとやっと本領発揮!思うままに大地を掴んだタイヤは悪癖も収まり、良い感じに泥の底を掬ってくれる感じだ。(勿論個人差はある)

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空気圧を落として気が付いたのだが、このタイヤはやはり大型車用の固いショルダーが高い空気圧においてタイヤの変形を抑えている居る様だ。勿論コンパウンドはより柔軟な状態ではあるのだろうが、構造的にショルダーが固いのではないだろうか?
T63辺りで個人的に基本空気圧は1.3hPaぐらい、高速走行できてそこそこ林道まではカバー出来ると思うが、
ここで一つ問題なのはトレッドパターンではないかと?
オンロードではまるでセローのトルクが上がったかの様なパワー感を醸し出すアナキーは、よく研究された「捻れて前に車体を押し出す形状のトレッドとコンパウンド配合がキモ」では無いかと思う。
しかし固いショルダーが必要以上に効いて林道では時折何か巻き込んだかの様にリアがフラつく場面があった。ダートでは今ひとつ「路面の喰い付き」感に乏しいのだ。
だがGW、リアに20Kgからのキャンプ用品を積むとリアの喰い付き感が明らかに違う。
ちゃんと走れるじゃないか!
思わす叫び出す。勿論油断は禁物だ。しかし流石元大型車用、重くすれば普通というのは笑った。

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万能性の代償>

林道では銘版T63に勝るとも劣らず、飛躍的に舗装路や高速性を内包した小型車用のアナキーワイルド。
しかし、やはり良い事ばかりではない。
気持ちよくトルクフルになったと錯覚するロードでの瞬発力は裏をかえせばエンジンがこれまで以上に回っていると言う事だ。WR250やCRF250ラリーの様にもともとのエンジンがトルクフルで高回転も得意なマシンならいざ知らず、セローの様な常用回転域で走るバイクでは実際にはかなりの負担が出る。
如実に違うのが燃費だ。TW302では町乗り満タン算出で大体270Km、高速で240Kmの航続距離がある。勿論各々の運転技量や個性で誤差はあるだろう。しかし今回、滝沢インター直前で給油し東京方面への上り線を平均110Km/h巡航で、給油メータのランプが村田インターを過ぎた登坂車線の終わり頃に点灯して驚いた。
菅生給油でオドメーターはジャスト210Kmしか走らなかった。
時速90Km/hから上の燃費はすこぶる悪い、下道でも満タン計測で平均230Km前後と全く振るわない。恐らくタイヤそのものの寿命も純正TW301/302に及ばないと思う。(90km/hまではパワフルで燃費もそこそこに走る)
また入れたチューブのせいだと思うが100Km/hを越えた辺りからリアでタイヤ鳴りが出た。挙動を乱す程ではないが110Km/h以上は振動も伴い始める為にそれ以上の巡航出来なかった。因みに最高速は菅生の下り坂でメーター読み140km/h。
恐らくリアをチューブ化した代償だと思う、僅かだが正円では無い様だ。まあこれはセロー250に限った事と考えて良いと思う。

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総括>

いわゆるロードタイヤに全く遜色無いハンドリングと加速時の笑い出したくなるトルクフルな路面状態を選ばないトレッドパターンを持ちつつ、従来のトレールタイヤとしての能力は確実に維持している。
まさに長距離テント泊林道派御用達と言って良いタイヤである。
ただし、法定速度プラスαで走らないと燃料が目的地まで保たないお茶目なタイヤと言う事だ。全力は禁物である。
それを踏まえて走れば実に楽しいタイヤと言えよう。
posted by みちはてな at 22:22| 福島 ☀| Comment(0) | クルマとバイクのエトセトラ。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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