2017年06月12日

ダイハツ「リーザ・スパイダー」

師走を控えた晩秋の某民家園駐車場に、その車は佇んでいた。

え?「リーザスパイダーかよ!」なんと福島ナンバー、ジモティか。

そもそも「ダイハツ リーザ」というKカー自体、とっくにカタログに無いモデルである。
「ヤンキーオープンカット」と揶揄されたメーカー純正改造?オープンカーであった。

この車はどうやら幌を新品にして、奇麗なレストアをされている様だ。
ボディもワックスに磨きがかかり、柔らかな晩秋の木漏れ日に輝いている。

Reeza3886.jpg

オーナー様には本当に失礼だが
「ここまでリーザスパイダーに首ったけとは・・・」
リーザスパイダー(L111s)の生産台数は確か300台くらいだと思う。1991年当時、本田ビートに端を発した「第一次Kオープンカー」ブームで、ビート同様新型の鈴木カプチーノも発表されたが、ダイハツはそもそもKオープンに商用価値を見出さなかった。
極論「必要ないし、高い開発費掛けても売れない」と思っていたのだろうと推測する。

Reeza3889.jpg
でも、
時流に乗らないのもどうか?と考えたダイハツは「ほれっ!これでどやろ!」と言わんばかりに乗用4人乗りのスタイリッシュ2ドアクーペのリーザの屋根をばっさり切って、いやもとい、切ったら交通省の車両認定がアブないのでこれまた不細工なロールバーとBピラーを補強しつつ残して、何とか流行の岸辺に辿り着いたという作品(車)なのである。
これを1991年の東京モーターショウに出品、好評を博した(ダイハツ広報部当社比>多分)ので販売したらしい。いやまあ、清水どころかK2から飛び降りたくらいのイキオイだな、流石大阪発動機!

Reeza3853.jpg

無くなった後ろの席の半分は折り畳んだ幌(屋根)の収納スペースになるので、定員は2名である、失礼だが覗き込むと三歳児まで乗車可能なイス状に物置が在る。すげえ、ジムニーより初代CR−Xより小さいが、まるでイスの様だ!
また屋根切ったら恐ろしく強度が無くなったので、ボディ下部にガッツリと補強するしか手が無くなり、結果オープンのくせにノーマルから実に90Kg増しの重量ボディとなっている。(因みにノーマルは650Kg前後)そのせいか?エンジンはリーザ最強モデルのリーザターボがベース車両だ。
しかも、メーカーライン上でのカットなのに車検は改造車認定のみ通過という不甲斐なさである。つまり、購入したら改造申請を出して陸運局に持ち込み持参で認可、ナンバー交付と成る訳だ。

Reeza3884.jpg

「開けたら収納めんどくさそうな幌だよなぁ」
ジムニー、パジェロJトップと幌車ばかり乗り継いだMRから見ても、折り畳んだら元に張り直しが出来る自信がないな。

Reeza3887.jpg

リーザスパイダーはそもそもリーザ(550)がスペシャリティカーを銘打って出た流れで660にサイズアップしてラグジャリー指向を強め、1991年11月にスパイダー投入時には既に次期モデルであるダイハツオプティがスタンバっていた。
そのオプティ発売が翌年(1992年)1月だ。これは勿論新軽規格に最初から合わせた設計の新型車として登場する。
在庫処分で92年上半期までは売っていたが、スパイダー自体は発表から僅か3ヶ月で生産、もとい改造中止となる。(と言う事は、月販売がナラシで100台ちょぼかよ!生存率低そう)

Reeza3882.jpg

最初のオープンカー(ダイハツラガーを除く)の挫折から11年後、ダイハツは新たなオープンクーペとしてコペンを2002年に発売し、ようやくイチからオープンカーを造り出せたのだ。
リーザスパイダーはダイハツの「みにくいアヒルの娘」だったのかもしれない。木漏れ日に光る黒い車体が、それでも尚生きて走れる喜びにうち震えている様に見えた。
posted by みちはてな at 00:48| 福島 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 今頃日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
オープン海苔は雨の日の雨漏りと全力で戦うとか
バイク乗りとしては親近感を沸かせざるを得ないと思ったりするものの
イロイロ業が深いものだとも思ったり
Posted by こーはく at 2017年06月12日 10:07
人の五感を高める作用がオープンには在ると思います。
同時に、一種の「ステアリング・ハイ」となって誠心の解放や集中を容易に行う事が出来ます。

問題点としては「使いすぎるとバカになる」
つまり機械が悪いのではなくて、問題はあくまでドライバー側の業と言う事でしょう、多分。
Posted by MR at 2017年06月16日 23:11
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